サービス提供者の為のクラウド「IaaS」

サービス提供者向けのクラウド「IaaS」

こんにちは。EIT入社1年目の E です。

 

新人研修を終えてから半年ほど、クラウドの中でも「IaaS」と呼ばれる分野を主に案件で扱ってきました。「IaaS」とは「サービス提供者向けのクラウドサービス」です。

今回のブログではこの「IaaS」と、そのメリットやデメリットを紹介します。ぜひお付き合いください。

 

Ⅰ クラウドとは

私は弊社に入社するまでITインフラの分野を詳細に学んだ事がなく、入社当初は「最近クラウドってどこでも聞くけど、結局なんなの?」と思っておりました。同じような印象の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

クラウドとは、「インターネット経由で利用できるサービス」のことです。メリットは、サービスに必要な準備が省けることです。

 

代表的なクラウドサービスとしては、「Gmail」が挙げられます。新たに機材を用意したり、新たにソフトウェアをインストールしなくても、「Internet Explorer」や「Chrome」等のWebブラウザを利用できる端末さえあれば、誰でもサービスを使うことができます。わかりやすい「クラウド」で、今では広く普及していますね!

 

Ⅰ-1 なぜクラウド?

さて、サービスに必要な準備が省けるとどうなるでしょうか。そうです、コストが下がります。

  • ハードウェアの調達費用
  • 保守費用
  • 管理する人手
  • 導入にかかる手間や時間

など、色々な部分でリソースを削減できます。

 

Ⅰ-2 クラウドの分類

さて、一口に「クラウド」といってもサービスの内容は多種多様です。大まかに提供形態で分類され、呼び名がついています。「SaaS」や「PaaS」、「DaaS」、「IaaS」等といった言葉です。aaSは「as a Service」の略で、「~をサービスとして提供する」という意味を表し、頭の一文字が「提供するサービス内容」を表しています。

S: Software

P: Platform

D: Desktop

I: Infrastructure

各種の詳細な説明は省きますが、例えば先ほど挙げた Gmail だと、「メール機能を持つソフトウェア」の利用環境を提供することからSaaS に分類されます。

 

ちなみに特別な「aaS」として、「XaaS」という表現もあります。これは「X」が「未知の値」を表しており、「何らかのコンピュータ資源を提供する」クラウド形態を纏めて表しています。

 

Ⅱ IaaS

では本題。「IaaS」についてです。IaaSは、インターネット経由で以下の様なITインフラを提供します。

  • サーバ
  • 記憶媒体
  • ルータ
  • ファイアウォール
  • ロードバランサ

提供される各リソースを用いてサーバやネットワークを構築することが可能で、各リソースのスペックなども自由に決定することができます。例えばサーバならOSやCPU数、メモリ量などが選択できます。主な利用者はアプリケーション提供者や、社内ネットワーク管理者など、「エンドユーザ向けサービスの提供者」です。

 

Ⅲ IaaS のメリット

「自由度が高く柔軟なこと」です。先述の通り提供されるリソースの全てを自由に決定できます。また料金形態も従量課金制がほとんどで、契約の変更を行ことなくネットワークやリソースの構成を変更することもできます。

 

「いろいろ自由に決められるのはわかった。で、それの何がいいの?」と思われている方もおられることでしょう。以下で 柔軟性がもたらす具体的な2つのメリットをご紹介します。

Ⅲ – 1 リソースの最適化

必要なリソースの量はユーザ数や、アプリケーションの内容、使う頻度などに依存しており、時期によって増減することもあります。

しかし使用者が実際に機材を購入、設置、運用する場合

  • 一度買ったら費用は戻ってこない
  • 調達や設定には時間が必要
  • 設置する場所の確保も必要

ということが実状です。初期投資額も多く、手間もかかります。

構築後の継続的な運用や、保守を考えて用意をすると、「多少値段は上がっても、最初から多めに用意しておくか……」となります。どうしてもコストにロスが生じてしまいますね。

 

またIaaS以外のITインフラサービスでは

  • 固定された性能プランから選ぶ
  • プランを変えるには契約変更が必要

といった形態が殆どで、「丁度いいプランがない!」なんてこともありますし、要求スペックが変われば対応や手続きも手間がかかります。機材の購入費用はかかりませんが、やはり「多めに用意しておくか……」ということになります。

 

しかしIaaSの柔軟性があれば、こまやかな性能要求に対してもフィットした必要最小限の構成が可能です。例えば「メモリはたくさん必要、CPUはそこまで使わない」といった要求にも対応できます。また構成の変更が容易で、「必要なとき増やす」、「不要なとき減らす」ことが可能なため、多めに用意するコストも削減できます。新規事業などで「どのくらいのペースで利用者が増えていくか分からない」場合でも、「とりあえず必要な分を確保して、後から増やす」といった方法を容易に取ることができます。

 

Ⅲ-2 セキュリティの向上

セキュリティは用途や場所に関わらず、IT事業において最重要な課題です。ご存じの方も多いかと思いますが、強固なセキュリティ対策とは様々な手法を組み合わせ、何重にも重ねて警戒網を敷くことで行われます。さて、IaaSではネットワークを自由に構成できると先述しましたが、ネットワークの構成によってもセキュリティの良否があることはご存知でしょうか。

 

簡単な例を紹介します。

近年よく見るWeb+データベース(以下DB)によるシステムについて。次の二つ、どちらがよりセキュアと思われるでしょうか。

①「WebとDBの機能をまとめた1台構成」

②「Webサーバ1台とDBサーバ1台を連携した2台構成」

同じじゃないの?と思われるかもしれません。(自分は入社当初、そう思っておりました) 

これは②の構成がよりセキュアです。長くなりますので詳細は省きますが、役割を分担することでセキュリティを向上させることが可能です。

 

他形態のITインフラサービスでもセキュリティ対策は行われていますが、「ネットワーク構成によるセキュリティ対策」はIaaS以外では実現困難であり、可能であっても手間がかかります。

 

その他、先述の通りIaaSではファイアウォール機能がネットワーク機器として提供されているため、さらにセキュリティを向上させることができます。

 

Ⅳ IaaS のデメリット

さて、ではIaaSのデメリットとは何か。実はデメリットも「自由度が高く柔軟なこと」なのです。

  • 設定内容が多岐にわたり、知識がないと構成できない
  • 不十分な知識では、十分にメリット発揮できない

また、サービスにより保証されるのはリソースが動くことのみです。構成したサーバやネットワークの責任は、構成した利用者が持たなければなりません。

 

Ⅴ 「え、じゃあ使えない」と、思ったそこのあなた!

私たちインフラ屋の出番です。

  • 「クラウドじゃなくてもよくない?」
  • 「クラウドだとセキュリティが不安って聞くし…。」
  • 「そもそもITインフラとかよくわからない!」

という方ももぜひご相談ください。

あなたが必要としている最適なITインフラを一緒に考えます。

 

まとめ

  • IaaSのメリットは、自由度が高く柔軟なこと
  • 活用するには知識が必要
  • 知識が足りない場合は、専門家におまかせあれ!

長文にお付き合いくださり、ありがとうございました!