前回は ESXi の監視ツールのお話でしたが、今回はそもそものESXiのインストールで手間取った話と、その解決に使ったESXiのコマンドツール「PowerCLI」についてです。
当社では新人研修の一環で「ESXiのインストール」を行います。そのため、問題なく「ESXiのインストール」はできるはずなのですが、ここで詰まってしまいました・・・。
もくじ
ESXiのインストールができない・・・
つい先日、業務で検証を行うため手近なパソコンにESXiをインストールし検証環境を構築しようとしたところ、ハードとの組み合わせが悪くインストール中にエラーが発生しました。
エラー発生時の構成
<ハードウェア>
HP EliteDesk 800 G1 ※ネットワークドライバは[E1000]
<ソフトウェア>
VMware ESXi5.1 Update3
発生したエラー画面
カスタムインストーラを作る!
今回使用したHPのパソコンには搭載されているネットワークアダプタのドライバが、ESXi5.1のインストーラに標準で入っていないんです。
※ちなみに、ESXi6.0であれば、何の問題もなくインストールできました。
Windowsのインストールだと途中でドライバのファイルを選択することが出来るんですが、ESXiのインストーラはそういった機能がないとのこと。どうすればいいかと言うと、カスタムインストーラを作らないといけない…。
VMware社のぺージを漁り「ESXi-Customizer」というツールがあるという情報をゲット!
早速、ホームページへ(⇒ http://www.v-front.de/p/esxi-customizer.html)
…サポートが終わっている。とりあえず私のPCにインストールしてみたが、案の定動かない。Windows10に対応していないようです。
よく読むと、「ESXi-Customizer」の後継として「ESXi-Customizer-PS」が公開されていました。「ESXi-Customizer-PS」は、VMware製品を管理できるようにWindows PowerShellを拡張した「PowerCLI」で使うとのこと。
PowerCLI & ESXi-Customizer-PS のインストール!
再度、VMWareのページに戻って、まずはPowerCLIをインストール。そのあと、下記より「ESXi-Customizer-PS」をダウンロード。
http://www.v-front.de/p/esxi-customizer-ps.html#download
「ESXi-Customizer-PS」は単体のプログラムではなく、Windows PowerShellのスクリプトでした。
アイコンからPowerCLIを起動して、ダウンロードしたスクリプトを指定し、パラメタでバージョンなどを指定します。
.\ESXi-Customizer-PS-v2.4.ps1 -v51 -vft -load e1000
- 「-load 」パラメタ
ドライバ名を指定すると、VMwareで用意されているドライバが自動的にネットからダウンロードされてインストーラに組み込まれます。 - 「-v●●」パラメタ
指定したバージョンのESXiインストーラをネットからダウンロードします。
環境を整えるのは大変ですが、「ESXi-Customizer-PS」は意外と親切かも。出来あがったISOファイルをメディアにディスクイメージとして焼きこんで、無事インストールできま……せんでした。同じエラーが出ます。
ドライバが違う!
色々調べていくと、ドライバがVMware提供のものでは、HPのネットワークアダプタに合わないようです。仮想ドライバ形式(VIBファイル形式)にしたIntel製ドライバがあったため、それを作成するインストーラに組み込むことにします。
「ESXi-Customizer-PS」はネットからだけではなく、仮想ドライバ形式のファイルも組み込むことができます。
.\ESXi-Customizer-PS-v2.4.ps1 -v51 -pkgDir C:\temp\"ドライバファイル名"
All done!!
ドライバ探しにかなり苦労しましたが、なんとかカスタムインストーラを作ることが出来ました。
インストール完了!
作成したカスタムインストーラでESXi5.1をHPのPCに入れると、エラーが出ず無事インストールが進みま…した!
かなり手間取りましたが、その過程でPowerCLIの環境も整いました。現在はvSphere Clientを使わなくても、ワンクリックで仮想サーバを構築するPowerCLIスクリプトを作ることができるようになりました。
これに「PowerShell-DSCを組み合わせて…」など色々できそうですね。